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デビル



(C) 2011 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED

「デビル」という映画を観てきました、原題もそのまま「DEVIL」です。 普段はあまり制作や出演者などで映画を選ばないのですが、M・ナイト・シャマランさんがらみというのは選択の要素ではありました。

あらすじは、
高層ビルで男が墜落死し、現場に急行した刑事ボーデン(クリス・メッシーナ)は、ロザリオを握りしめた死体に違和感を感じつつも、状況から自殺と判断する。ちょうどそのころ、同じビルのエレベーターが突然停止し、閉じ込められた5人の男女が、照明が消えるごとに1人ずつ無残な死を遂げるという奇怪な事態が起きていた。(シネマトゥデイ)

映画『デビル』公式サイト 大ヒット上映中!
http://devil-movie.jp/

ネタばれを書きます、ご了承ください。

エレベーターという密室で、電気が消えるごとに誰かが怪我をしたり死んだりする、という設定はありがちだけれども、その見せ方としては上手だと思いました。 普通は閉じ込められた人たちしかそこにはいなくて、誰もその状況に気がつかないという設定が多いのに、警備や警察など、周りはちゃんと分かっている状況というところ。 それでも、外からは中の映像が見られて、それが記録されていて見直すことができるとか、中の声は聞こえないけれど外から声を送ることができるとか、微妙にコミュニケーションが取れないそういう細かい設定も含めて。

タイトルの逆さまの風景が、なんとも言えない不安感を呼び起こします。 そこからの始まりの衝撃さから、見知らぬ人たちが集まりはじめ乗り合わせるところまでは、これから何が起こるのだろうという怖い期待感を持たせてくれます。 登場人物たちも、この手の映画としては黄金の布陣であることは間違いないし、あとはどうやってその怖さを、気持ち悪さを維持していくかということと、終らせ方にかかっているのですね。

警備や警察の、始めは単なる自殺や故障だと思って楽観していたのがだんだんと苛立ったり、見えているけれど助けられないという状況に、どんどん慌てはじめてパニックになるものも出てくる。 それでも、ある理由で現場を離れていた主人公の刑事だけが、始めはなんとなくしゃっきりしないのに、事件に触れ敏腕さを取り戻し、一生懸命みんなを救おうと対処していくところは、怖さと相まって見せ所だったし謎解きの要素も盛り込めてました。

でも結局はタイトルどおり、邪悪なもののせいだになってしまうのは、それまでの偶然や伏線など関係なくて、どんな無茶な状況でも、どんな理屈に合わないことでもできちゃうというところが、ズルいと思うのです。 みんな悪魔の力のせいだ、ですんでしまうのですもの(笑)。

それでも、そこまでで終わりにせずに、懺悔をする(それも始めに登場する同じ言葉で)ことで最後に残った人間と刑事の関係が明らかになる、結局頑張って助けた相手がその男だったという矛盾や驚きはよかったと思います。

あんなに大きなビルならば、もっと大き目のエレベータが設置されてると思っていました。 観たあとに解説を読んだら、あれは五人の人間が微妙な距離を取って、またいろいろな動作に合わせるための大きさで設定したと、ありました。 そのあたりはいろんなシーンで細かい設定や配慮があって、たとえばエレベーターに流れる音楽とか、カメラのアングルや解像度などいろいろ、その組み合わせで全体の不安感とか怖さをさらに醸し出しているのだと思います。 終わりでは逆さまだった風景が正しい上下で終っていたところも暗示的。

ほとんどネタバレしたので、ここまで読んだ人は観た人かもう観ない人かどちらかだと思いますが(笑)、よかったらぜひ。

善悪は主体によって変わります あなたの善はわたしの悪だ (天国ななお)
# by momomiyam | 2011-08-18 20:02 | 映画

SUPER 8/スーパーエイト



(C) 2011 PARAMOUNT PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.

「SUPER 8/スーパーエイト」という映画を、遅まきながら観てきました、現代もそのまま「SUPER 8」です。 題名を知って思い出したのは、日本テレビ系列で放映されていた「スーパースター・8☆逃げろ!」というTV番組でした、TVなのに、なんと8mmフィルムカメラで撮られたドタバタ番組でした。 

年代的に私は8mmフィルム世代でして、題名を聞いてすぐにフィルムを思ったくらいです。 当時、ダブル8、そしてスーパー8、日本ではシングル8といろいろなフィルム形式がありました。 我が家にも、ダブル8とシングル8の撮影機があり、実際にも簡単な編集までしていました。 その後アニメーションにも手を出して(笑)、露光しなかった8mmフィルムに直接、針などを使って簡単な絵を1コマずつ描く、スクラッチ・アニメーションを作ったり、静物を1コマ撮ってはちょっと動かしてまた1コマ撮る、コマ撮りということを繰り返す、ストップモーション・アニメーションとか8mmでやってました。 あー懐かしい(笑)。

というわけで、映画作り少年達の気持にとても感情移入してしまうわけですが、音声を光学で同録できる撮影機だったり、ライトやマイクまで用意していて、貧乏だった自分には考えられないくらい、充実した機材でした、お金持ちー羨ましいー。 注意して見たのですが、カメラや映写機のメーカーは私にはわかりませんでした。

で、早速検索をしてみたら、こちらのサイトに解説されていました。

Sightsong: J.J.エイブラムス『SUPER 8』
http://pub.ne.jp/Sightsong/?entry_id=3747434

さらにさらに詳しく細かい解説は、こちらの方の関連日記にあります、すごいです。

「8ミリ宣言」オオノ隊員のブログ
http://ameblo.jp/cinematograph/

たしかに、せっかくの8mm映画の話なので、編集シーンとか映写機にセッティングするところとかもう少しあると良かったですね。 あらら、前置きだけで終わってしまいそうなのであらすじを(笑)。

あらすじは、
1979年、アメリカ・オハイオ州。8ミリカメラで映画撮影をしていた6人の子どもたちのそばで、貨物列車の衝突事故が発生。貨物列車は空軍施設・エリア 51からある場所へと研究素材を極秘に移送中だった。アメリカ政府が隠す秘密を目撃してしまった子どもたちのカメラには、事故の一部始終が記録されていた が……。(シネマトゥデイ)

映画『SUPER 8/スーパーエイト』公式サイト || 絶賛上映中!!
http://www.super8-movie.jp/

映画の内容に関してはとくに触れないでおきたいと思います(えー)。 当時のいろんな出来事や生活など、ポスターだとか食べ物やオモチャなども、私たち世代には、アメリカのお話ですけれど懐かしい感じがしました、もちろん音楽も。

そして、私にもわかる範囲でもいろんな映画へのオマージュがあって、そんな雰囲気のシーンがあったりしていました。 軍の作戦名で登場する WALKING DISTANCE は、いかにも意味ありげだったので調べてみたら、TVのトワイライトゾーンのある回のタイトルと、何人の方が推測してました。 

映画は全体的に、普段は写りこませない光のハレーションやライトストリーク、光のスジなどをわざと入れ込んだりして、それこそトワイライトゾーンではないですけど、過去の映画っぽさを出していたと思います。 それは本編までもが、少年たちが作る8mm映画のような感じを、どこか醸し出させていました。 

話の内容は簡単な怪獣ものだし、どこかオモチャみたいな感じがありましたもの。 子供たちが爆発したり弾が飛び交っている戦闘最中の町を駆け抜けるところなど、引きの画で、かなり高度なCGを駆使していると思うのですけれど、そこもミニチュアを見ているような感じをうけました。 そう思わせたかったかどうかはともかく、全体では意図的な演出からくることなのだと思ってました。

なにより、アリス役のエル・ファニングさんがとてもよかったです。 最初の演技のときのみんなの「わー」という動揺ぶりが表すとおり、映画の劇中映画という二重構造を絶妙の演技で行っていました。

公開されてしばらく経ちますが、迫力のシーンはやはり大きなスクリーンで大きな音で鑑賞するのがよいと思います。 先入観なしにあまり難しいことを考えずに観るには、とてもよい映画だと思います。
よかったら、ぜひっ。

遊びから本物になる人もいる 好きも続けば本物になる (天国ななお)
# by momomiyam | 2011-08-18 20:00 | 映画

ヘルドライバー



(C) 2010 SUSHI TYPHOON/ NIKKATSU

「ヘルドライバー」という邦画を観てきました、英語表記も「HELLDRIVER」です。 日本の特殊メイクの第一人者、西村喜廣さんが監督・脚本・編集・キャラクターデザインなど、1人5役を務めています。 前作の「東京残酷警察」と同じように、血が噴水のようにこれでもかと溢れるスプラッター映画です。 ついなぜか観てしまうのでした(笑)。

あらすじは、
キカ(原裕美子)は母リッカ(しいなえいひ)が父を殺すところを目撃。逃走するキカを追うリッカの体を空から飛来した物体が貫くが、何とリッカはキカの心臓を強奪し、自らの胸に移植。するとリッカの口から赤黒い灰が吐き出され、その灰が人間をゾンビにししまう。1年後、目覚めたキカはゾンビに襲われた際に、人工心臓を埋められていたことに気付き……。(シネマトゥデイ)

ヘルドライバー | The SUSHI TYPHOON
http://www.sushi-typhoon.com/jp/matsuri/lineup/helldriver/index.html

内容はあらすじのとおりです、赤黒い灰が北海道から東北に広がり、その灰が人間をゾンビにしてしまう。 昨年制作された映画なのに、まるでいまの日本に類似するところがあるのが、怖いところです。 ゾンビの進行を、大きな壁で日本を分断して東への進入を防ぐという驚きの展開。 でも、ゾンビも元は人間だ、人権があるのだ、という話しもあったりするのが、簡単でないところ。

ゾンビの造形や武器などは、さすが西村監督だと思いました。 単なるグロい気持ち悪いシーンもしつこいくらい沢山あるのですが、メインなキャラクターたちはそこに美しさと、ときには笑いが加わって、観客を魅了するのでした。 言いすぎだけど、ブラックスワン的な妖艶さと言ってもよいかも。 東京残酷警察での両手両足が刀のお姉さんの強力版も登場します(笑)。

メカで特出しているのは、スプラッター映画の定番のチェーンソーを、日本刀を融合させた主人公キカの武器。 細身の日本刀の周りにチェーンが回転するという形式は、スパッとは切れないけれどチェーンソー以上に自由に振り回せて、相手をゴリゴリとブッた切るのです。 その武器も普通のチェーンソーと同じようにリコイルスターターだったりするのも、なんかとってもおかしい。

食料不足、米不足になって、お寿司屋さんで米の無い寿司が登場するシーンがあるのですが、そこで映画「ブレードランナー」の有名な台詞も登場します。 そんなSFのパロディやゾンビ映画のパロディ? も要所にあったりして楽しい。

そしてあとはやりたい放題(笑)、いろんなものが武器になるし、ゾンビはどんどん合体するし、頭も腕も足もバラバラで、お馴染みの血は噴出しまくりでした。 まわりのキャストも個性派のみなさんが勢ぞろいで、主役の原裕美子さんを盛り立てていました。

映画を拝見した当日、かなりのお客さんが入っていて、それも女性も多かったので不思議に思っていたら、上映後、西村監督と役者さんの斉藤工さんのトークショーがあったのでした。 監督は缶チューハイのロング缶を二本飲んで酔っ払ってると言われていましたが、くだらないところはくだらなく、真面目な質問には真面目に答えていたのが印象的でした。 斉藤工さんはとても好青年で、映画も本当に好きな俳優さんなんだと思いました。 ひとつ、その関係者のみなさんたちの外での話し声や笑い声が、上映中に客席まで届いていたのは残念でした。 どなたかが言いに行ってくれたようですが、それでも静かなシーンでは気になりました。

海外向けに英語の字幕が付いているのですが、海外でこのスプラッター映画はどこまで理解されるのか少し心配になりました、なんせ赤ん坊まで武器にしてしまうのですから(笑)。 タイトルのヘルドライバーの意味は正直よく分からなかったけれど、車は登場して起き上がって戦ったりします(笑)。 そんなとんでもない映画を、理屈抜きで、西村監督のグロいエロい特撮好きの方はぜひぜひ。

流される血の量だけが殺された人やゾンビを浄化するのだ (天国ななお)
# by momomiyam | 2011-08-18 19:57 | 映画

アイ・アム・ナンバー4


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「アイ・アム・ナンバー4」という映画を観てきました、原題もそのまま「I AM NUMBER FOUR」です。

あらすじは、
潜在的な特殊能力を有する9人の“選ばれし若者”たちが、自分の能力や運命が与えた使命さえ知らぬまま何者かに命を狙われ続け、孤独な日々を送っていた。あるとき、彼らの中の3人が殺され、“ナンバー4”の力が覚醒(かくせい)。ジョン・スミス(アレックス・ペティファー)という偽名でアメリカの片田舎に暮らす彼は敵から逃げることをやめ、戦う決意を固めるが……。(シネマトゥデイ)

アイ・アム・ナンバー4
http://www.movies.co.jp/no4/

はじめの方に、台詞でちゃんと説明が入るので状況はすぐにわかります。 わかりますが、何で人間そっくりなのとか、敵の宇宙人もやっぱり人間そっくりなのとか、星をひとつ滅ぼすような人たちがちまちまと一人ずつ殺してくのとか、9人以外のガーディアンはどこの人とか、ワンちゃんはとか、ところで敵もふくめてどうやって地球に来たのとか、ほとんど説明はありません(笑)。 他でもよくある宇宙人も英語を話すとかいうことといっしょで、理屈ではないのですね。

学園ドラマかと思うような(そういえば超能力学園Zという映画がありましたね)お話から、力が覚醒されて敵と戦うあたりは、もう最近のバトルアクション映画へと変わって、そこからは一気にもっていかれます。

登場する女性たちが、可愛い人とか美人さんとかなのだけれども、どちらも強いという意味では同じで、どちらにも惚れてしまいますわ(笑)。 それにくらべると絡んでくる男子たちはちょっと今ひとつ、でも、だんだんと良くなってくるのは映画の見せ方の上手さかと思います。

現代の学園ドラマという意味でも、いろいろスラングとか今風の話題があるみたいで、英語がわかるとなかなか楽しいのだろうなと思います。 UFO研究家の子供の男の子が、敵の武器、MIBで出てきそうな巨大な銃みたいなので敵をあっさりと撃つのだけど、Xboxで得意なんだみたいなことを言ってたりしてました(笑)。

4と9が特別な能力を持っている、と言っていたけど、死んでしまった1、2、3 以外では登場するのは6で、あとの人たちは? ということも含めて続編があるかもと思わせつつ、唐突な始まりと同じように、この映画だけで完結でも別に大丈夫なような微妙な作り方(笑)。 長いお話のコミックの読みきり一話完結みたいな感じです。 この手のお話が好きならぜひぜひ。

ベスト3じゃないから表彰台はムリ でもまだ先があるって素敵 (天国ななお)
# by momomiyam | 2011-07-26 12:45 | 映画

ムカデ人間



(C) 2009 SIX ENTERTAINMENT

「ムカデ人間」という映画を観てきました、原題もそのまま「THE HUMAN CENTIPEDE (FIRST SEQUENCE)」、そのままだけど、ファーストシークエンスとあるのは、予定では三部作らしいです(驚)。

三人以上で包帯でつながれた状態、要は映画のむかで人間風にチケットを購入したら千円という特別割引があったので、迷わず大人四人でつながってみました、写真撮られました(笑)

あらすじは、
ヨーロッパを旅行中の2人のアメリカ人女性が突然のパンクに見舞われ、一軒の大邸宅に助けを求める。翌朝彼女たちが目覚めると、地下室のベッドに日本人男性と共に寝かされており、異常事態を察知するが、家の主であるドイツ人男性によって、人間の口と肛門を結合させる“ムカデ人間”の手術が始まろうとしていた。(シネマトゥデイ)

映画「ムカデ人間」オフィシャルサイト
http://mukade-ningen.com/

主役のドクター、ディーター・ラーザーさんのキャラクターと、奇抜な発想の脚本により成り立っている映画です。 ああ、忘れてはいけません、日本人役で日本語しか話さない北村昭博さんの熱演も良かったです。

グロテスクな映画だし真面目に演じられているのに、なぜか映画館に笑いが起こる素敵な映画(笑)。 内容はあらすじどおりですし、見ても大丈夫な予告編だけど、その予告編を見るとなぜか見たくなってしまう映画です。 そして笑ったり驚いたりできるのだけど、文章ではうまく説明できない。

それはその外科医ヨーゼフ・ハイター博士のキャラクターを文章で説明するのが難しいのと同じ感じ。 それでも一番彼を表すよいシーンは、「この変態!!」に答えて、「そうです私は変態です」というところ(笑)、残念ながら英語でなんて言っていたかは不明ですけれど、一番笑われてました。 あとは、出来上がったムカデ人間を見てキャッキャ喜ぶところが、怖いどころか可愛かったです。

そんなわけで観なければわからない映画なので、予告編を見て大丈夫そうで観たい人はぜひぜひ。

誰だって誰かとつながってたいのにつながれるのは嫌がるのです (天国ななお)
# by momomiyam | 2011-07-19 20:43 | 映画