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スーパー!



Crimson Bolt, LLC (C) 2010

「スーパー!」という映画を観てきました、原題もそのまま「SUPER」です。 あの「キック・アス」のような素人ヒーロー映画を想像していたのですが、中身はかなり違いました。

あらすじは、
さえない中年男フランク(レイン・ウィルソン)。彼の妻(リヴ・タイラー)がセクシーなドラッグディーラー(ケヴィン・ベーコン)の後を追って家を出てしまう。愛する妻を取り戻すため、彼はお手製のコスチュームに身を包みスーパーヒーロー“クリムゾンボルト(赤い稲妻)”に変身。イカれた女の子ボルティー(エレン・ペイジ)を相棒に、危険地帯の犯罪に立ち向かうフランクだったが……。(シネマトゥデイ)

映画「スーパー!」公式サイト
http://www.finefilms.co.jp/super/

以下、ネタバレすると思います、ご注意ください。

お話の内容はあらすじとおりです、そして豪華キャスト、わお。 レイン・ウィルソンさんとエレン・ペイジさんは、映画「JUNO/ジュノ」で競演しているとあったのですが、じつは彼がどこに出ていたかを覚えてなくて検索してしまいました。 Rollo というドラッグストアの店員さん役でした。 彼がエレンをこの映画に誘ったという記述をどこかで見ましたー。

キック・アスの高校生な主人公は純粋にヒーローに憧れてなったのですが、スーパー!の中年な主人公は神の啓示でヒーローになります。

彼が悪だとするこだわるところ、弱者虐待だったり、麻薬売買だったり、割り込みだったりが、そのキリスト教というか神様的に許してはいけない罪悪なのではないかと思いました。 そのあたり知識がないので単なる想像なのですが、いつもそれら三つの同じような犯罪に対して彼が立ち向かっていっていたような気がするのです。

ボルティがエッチを迫るときにも(エロいっ)、結婚していなければ駄目だと拒むところで、人としてではなくヒーローとしてエッチすればいいのよ、とか、それはコマの合間にあることなのなどなど、どちらかと言うと悪魔の誘惑のような展開に。 吐いてしまってお告げ登場もすごいけれど(笑)、まあ、そのあたりの宗教的なことがわからなくても、映画的には十分に楽しめました。 

オープニングの能天気なそれでいてシュールなアニメーションによろこんで、途中まではコメディっぽい感じで進むけれど、だんだんリアルなグロテスクなシーンが増えてきて、屋敷での銃撃戦ではピークに。 私的にはその落差は気にならず、というかよい流れだと思いながらみてました。

ボルティのはじけっぷりは、みなさんの言うとおり圧倒的でした(笑)。 フランクの異常さはじんわりと納得できるものがあるけれど、ボルティは普通の人っぽい登場の仕方だったのに、とつぜんイカれたようにみえるのが逆に人間的な狂気さで、神がかりなフランクと対象的、同じ暴力なのに神と悪魔なの対比のよう、いや、両方とも神でも悪魔でもないけれど。 すごいぞエレン・ペイジさん(笑)。

屋敷での出来事終了後は、急展開にゆったりとした雰囲気に変わり(私は追いつけませんでした)、人生でいままで良かったことが二つしかない、と言っていたフランクが、最後には壁一面に良かったことを飾ったり、飼えないと言っていたウサギと暮らしたりという、一見は幸せな終わりかただけど、もう、何かを悟りきった感じのボーッとした顔がとても印象にのこります。

エンターティンメントという意味で楽しむのならキック・アスを、話は分かりやすいのに考えると悩んでしまうもう少しディープなヒーローものならこのスーパー!をお勧めします。

脳みそは豆腐の味や味噌の味だっていうのは見た目じゃないかー (天国ななお)
by momomiyam | 2011-09-27 13:27 | 映画


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