人気ブログランキング | 話題のタグを見る

グラン・トリノ


(C) 2009 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.

「グラン・トリノ」という映画を観てきました、原題も同じく「GRAN TORINO」です、GRAN TORINO はある時期のフォード社が作っていた自動車の名称のひとつです。 ポスターに写っている、クリント・イーストウッドと、手に持っている M-1 カービン銃とその GRAN TORINO は、どれも古いものだけど昔ながらの良さがある、無骨だけど格好いいものたちなのです、もちろんそれぞれ象徴でもあるのです。

あらすじは、
妻に先立たれ、息子たちとも疎遠な元軍人のウォルト(クリント・イーストウッド)は、自動車工の仕事を引退して以来単調な生活を送っていた。そんなある日、愛車グラン・トリノが盗まれそうになったことをきっかけに、アジア系移民の少年タオ(ビー・ヴァン)と知り合う。やがて二人の間に芽生えた友情は、それぞれの人生を大きく変えていく。(シネマトゥデイ)

映画『グラン・トリノ』オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/

ネタばれを書くと思います、ご容赦くださいませ。
今まで何度か書いていることですけど、私はこの手の映画が苦手なのです。

頑固爺さんが、唾をはくことが、他人を罵倒することが、誤解されることが、無軌道な悪い人が、善意の押し売りが、幸せが壊されることが、乱暴が、病気が、良い人が死んでしまうことが、泣きそうになることが、ハッピーエンドでないことが、全て苦手です。

その点では一人では絶対に見ない映画なのです、でも、あまりにみなさんの評判がよくって、頑張って友達と(笑)観てきました、ええ、観てよかったです、とても素敵な映画でした。

親子であっても表面的な取り繕いさえできなくてつながっていない関係があるかと思えば、差別や罵倒の言葉を言っていても友達で居られる関係もある。 それが年齢や人種を超えて良い人も悪い人もいるということを、あたりまえのことなのだけど難しいことを、とても分かりやすく表現していました。

自分が歳をとったら、全部は嫌だけど少しはあんなおじいさんになりたいと思いました、とりあえずデッキでビールを呑み続けたい、彼がグラン・トリノに乗っているシーンは無かったと思うけど、小洒落た自動車に乗って好きなところへドライブしてみたい、そしてあの体型は維持していたい(笑)。

でも私は、あんなに強くもないし自信もないのです、逆にココロに大きな傷も無いけれど。 そんな男の無骨な生き様がおかしくて笑えてしまったり感動できたりするのですね。 ほっといて欲しいのに他人が介入してくることで、それでも人は独りでは生きられない、つながっていくのだということも教えてくれるのです。

それが世代を超えて引き継がれていく男というものだ、ということが、グラン・トリノを受け取ったタオ青年のエンディングでも伝わってきます。

苦手だったけどとても良い映画でした、人によって感じ方が違うのも良い映画の証だと思います、よかったらぜひぜひ観てください。

独りでは持てない強さを守るべき人たちの目が教えてくれた (天国ななお)
by momomiyam | 2009-05-19 13:57 | 映画


<< バーン・アフター・リーディング スラムドッグ$ミリオネア >>